アイスが溶ける前に

萩谷慧悟くんとLove-tuneについて

*[ジャニーズJr.]そんなのずるい

 

センスがいい

 

HクリエのVIVID、Break Out、PARTY MANIACSを観た後にそう思った。

 

なぜそう思ったかという理由はもうたくさんあって、ここからはしばらく私の主観と好みで続けさせていただきますが。長い。

 

まず一つ目は「センスのある選曲」

 

VIVID/藤井流星小瀧望

 

普通、あのVIVIDを、望と流星いわゆるツインのために作られたような曲でしかもあのふたりにしか歌うことを許されない気がして簡単には近づけないようなこの曲を、Jr.がやれるだろうか、、?

中途半端なパフォーマンスでは許されない。それはこの曲が初披露されたなにわ侍ハローTOKYO!!*1という舞台にバックとしてついていた本人たちが一番よくわかっていると思う。それでもやると決めたのはやっぱり需要を見込んでのことかな。

5/23Hクリエの初日、レポが回り始めると、多くの人がVIVIDに沸いていた。それはWESTのファンも同じで、「見てみたい」という声が多かったし、ツインですらまだコンサートで披露したことのないこの曲を、クリエでJr.がやってしまって大丈夫かな…という心配も無用で、まさにVIVIDの需要を感じたし、誰も近づかなかった大穴の曲だったんだなと思った。

 

VIVIDをやりたいと提案したのは萩谷くん。デュエットの曲はたくさんあるし、かっこいい曲もたくさんある。だけど奇しくも、ツインという永遠で圧倒的シンメの曲を、はぎやすでやるという結果的に意味があるように感じてしまえるこの曲に萩谷くん自身が運命のごとく引き寄せられてしまったんじゃないかなあなんて。

 

 

Break Out/ジャニーズWEST

 

この曲を選んだ経緯としてはまず、「この4人(安井、萩谷、翔希、美勇人)といったらなにわ侍」に行き着いたことは容易に想像がつくところ。

ただ自分たちがやりたい曲、というのも良いけど、ちゃんと「この4人がやる意味」、みたいなものがあって、そういう選曲の仕方はほんとうに信頼出来るなあと思った次第です。

で、たぶんなにわ侍のセトリから選んだはずだから、きっと打ち合わせの段階ではCriminalも候補として挙がったんだろうな。でも選んだのはBreak Outで。Criminalに比べると、踊るというより存在感で魅せるタイプ。さらにラップもあって、後半の踊るPARTY MANIACSと区別する意味でBOを選んだのだったら大正解だと思う。ちなみにはぎやすVIVIDの後にBOという流れ、セトリの組み上手かよ…!!って唸るほど最高だった。

 

 

PARTY MANIACS/ジャニーズWEST

セトリを見たとき、よくこの曲を選んだなー!ってまあ驚いた。

だって、このパリマニが収録されたアルバム「パリピポ」の発売日は4/22、このアルバムを引っさげたコンサートの横アリ公演にはぎもろみゅで行ったのは5/5、Hクリエ初日が5/23。

アルバムが発売された時点で聴いていたのかは分からないけど、後のドル誌で安井くんは「流星の泊まっているホテルの部屋に遊びに行ったとき、見せてもらったパリマニの映像でこれだと閃いた」と言っていたので決定打を打ったのはたぶんパリピポ横アリ公演の5/4〜6の間なはず。

とはいえこのわずかな期間で振りつけてクリエで披露するなんて、まさかそんな。パリマニ自体まだコンサートでしか披露されていなかったので、認知度は圧倒的に低くて。実際にアルバムを買って聴くか、コンサートに足を運んで観た人でないと知らない曲だと思う。それをJr.のみのステージでやるなんて絶対に不利。

それでもこの曲を選んだということは、知っているから盛り上がれるとか知らないから盛り上がれないということではなく、「知らなくても盛り上げられる」という確実な自信と意気込みがあったのだろうなあ。

なんでそう思えるかって、本家の盛り上がりが尋常じゃなかったから。もう一曲まるまる、登場から終わりまでずーっと歓声、歓声。あれを観てしまって、かっこいいと震えないはずがないし自分たちでも魅せてみたいと思うのはむしろ自然なことだと思う。パリマニに関しては他のチームと一味違う、選曲のセンスがひときわ光っていたところ。

 

 

二つ目は「演出のセンス」

 

前述したとおり、VIVIDの後にBO。この流れがもう最高によかったわけで。

はぎやす二人がラストの「どこまででもVivid baby~」の絡みで会場のボルテージを最高潮に上げると次に流れてくるのはBOのイントロ、もうこの時点でVIVIDへの歓声、BOへの歓声両方が混じってクリエが溶けるような熱気。ここからはほぼ記憶がないくらい、とにかくかっこよくて、唯一覚えているのは終盤、ステージ前方で横並びになった4人に一人ずつピンスポを当てるという演出。まっすぐの光が上からひとりひとりをきれいに照らしていて、後のMCで安井くんがこの演出を「かっこよかったでしょ!?」と嬉々として喋っていたけど、ほんとうに美しくもかっこよくて、さらに強い。魅せ方をよくわかっているなあとまたここでもセンスを感じさせられた。

 

PARTY MANIACS

 

パリマニに関しては、思い出すだけで血が沸き立つレベル。

私の乏しい語彙力では上手くあらわせられないのが悔しいけど、もう、とにかくすごい。圧倒的に魅せられてしまってしばらくは抜け出せなかった。

 

横アリ公演、WESTによって披露されたパリマニ、この曲の盛り上がりは相当なものでファンからの人気もひとしお。
セトリとしては後半に持ってこられていて、曲が始まる前には映像による煽りを何度も行い、焦らして次の曲への期待をどんどん高めるような演出。コンサートのメインだった。

 これが、謎4バージョンではみゅうとのアクセントダンスのあとにパリマニといった構成。これもまさに次の曲への期待をじわじわと高めさせるような演出で、さらにセトリでは後半。もう、これをメインと言わずに何をメインと言えようか。

アクセントダンスが終わりそのままパリマニのイントロが流れてくると、みゅうとによる英語での煽り(神ちゃんパート)、そしてステージ上段では頂点の玉座に鎮座するようにして安井くん、その一段下がったところ、側近のようにして萩谷くん、しょうきがスタンバイ。もうこの時点で文句のつけようがない圧倒的な存在感にのけ反りそうなほどで、すぐに「これは間違いない…!!」と確信した。

その確信はやっぱり勘違いなんかじゃなく、曲の終わりにかけてますます加速していくばかり。本家はどちらかというとそのスタイルや存在感で魅せるもので、踊りまくる!というパフォーマンスではなかったんだけど、よくこんなにもパリマニの世界観を壊さず振り付けしたなあという感じ。フォーメーションも目まぐるしく変わるしステージ上を駆け巡りそりゃあもう踊る踊る。目を疑うほど踊りまくっていて何より気迫と勢いがすごい。これだけ気合いを入れて作りこまれたものならパリマニもしあわせだよ…とよく分からない目線になってしまった。

振りも「ここは本家のままであってほしい…!」ってところはそのまま残していて、この本家そのままの振りの残し方が本っ当に完璧で、すごく勘の良い人たちだなあと感心した。むしろここさえ押さえておけばパリマニとして間違いない、みたいなところをしっかり汲み取って。(横アリではCO2の噴射が印象的だったんだけどそれも踏襲されていた)それだけでなく、ちゃんとアレンジもされていたからただのものまねにならず、完全に謎4バージョンのパリマニになっていた。

 

そして何がよかったって、4人が4人ともすごく高いパフォーマンス力だったんだよなあ。それぞれがそれぞれのステージで培ってきたものがひとつのステージ上で一気に放出されてしかもちゃんと4人のパフォーマンスになっている。この4人がグループでもなんでもないなんて何の罰ゲームだろう。

 

 

三つ目は「パート分けのセンス」

 

VIVID

 

望パート→安井くん(ピンク)

流星パート→萩谷くん(青)

ってなんだこの天才……思わず天を仰ぐしかない。

 

安井くんがのぞむだし萩谷くんが流星なのわかるわかるわかりまくるよ!安井くんの歌に合わせて萩谷くんが「びびびびっすぱーく!」大正解。内部に需要を分かりすぎている人がいるぞ。

 

 

Break Out

 

はぎみゅの「Let's Break  Out!」を合図に怒涛のラップ。「乱れた~」からは階段上がったステージの上手下手からやすもろが登場して淳太くんパートは安井くん、照史くんパートがしょうき。「あざ笑え」の上ハモはしょうき、そのあとの嘲笑は安井くん。その後のりゅかみはまラップははぎみゅ。

はあ、完璧すぎてため息が出る。何の違和感もなく、完全に完成されているものだった。

 

PARTY MANIACS

 

大サビ前の「We're PARTY MANIACS」がソロで4回続くところ。

一回目、息と声半分半分で若干囁くような重岡さんパートがみゅうと。

二回目、語気を少し強めながら歌う神ちゃんパートが萩谷くん。

三回目、完全に囁くように言う流星パートが安井くん。

四回目、曲の終わりにかけて一気に会場のボルテージを上げるような照史くんのフェイクがしょうき。

 

この歌割りが誰によってどのように決められたのかは分からないけど、寸分の狂いなく各人にぴったりとハマっていて感動すら覚えるほど気持ちいい。しかもしょうきのハリのあってよく伸びクリエに響き渡る強いフェイクがまあ絶品だこと、、照史くんに勝るとも劣らない。また聴きたいなあ。

 

 

選曲、演出、歌割り、すべてが相乗効果で見ている側にストレスのない、それでいてちょうど気持ちよく盛り上がれるポイントを突いてくる。なんだこのセンスは。軽率に、この4人がつくる横浜アリーナでのコンサートが見たいと思ってしまった。そんなこと、思わせといてグループでもデビュー組でもないなんて、責任とってよなんて言えない悔しい。ほんと、これだからジャニーズJr.はずるいよね…!!!!

*1:ジャニーズWESTが7人でのデビューを発表した舞台

*[ジャニーズJr.]安井くんはやっぱりすごいや

「萩ちゃん生きてる!?(笑)」

 

2月に行われたガムシャラJ's party vol.8、その4公演中3公演で、萩谷くんが安井くんに言われていた言葉。

 

「萩ちゃん生きてる!?(笑)」

 

そんな、たった一言。

 

一公演目は、MC中一発芸を披露するために打ち合わせをする京本くんと美勇人くんの場を繋ぐため発せられた。それはそれは唐突に。 これに対して萩谷くんの返答は、

 

「生きてるよっ!」

 

ちょっと驚いた顔をしながら、 ふざけてムキっとしてみせた。

客席からは笑いが起こる。

 

どうして生存確認されたのか。観客も全員、考えるまでもなくそれは分かったはず。なぜならMC中、萩谷くんは全くと言っていいほど喋らなかったから。

 

「喋らなかった」という表現は半分嘘で半分事実かな。

本当は、「喋れなかった」。

 

その時のガムシャラJ's party vol.8のメンバーは、安井くん、京本くん、ジェシーくん、森田くん、萩谷くん、神宮寺くん、岩橋くん、石垣くん、後藤くんの9人。誰が見ても思う、異色メンツ。 MCでこの9人をまとめるのも、話を振るのも安井くん。

自分からどんどん会話に入っていける人以外にはまんべんなく、全員に話を振っていたので、全員が一度は会話の流れで喋ることができたと思う。ただひとり、萩谷くんを除いては。

 

ちゃんとマイクを通して相づちは打っている。言葉も発してはいる。でも、会話の流れには入っていない。その証拠に、何か喋ろうとするもタイミングが合わず口に持っていったマイクが何度もあごに終着する光景があって、それは見ているこちらでさえも本当にもどかしかった。

そして萩谷くんを見てない他担からすると、それは喋っていないも同然だったろうな。

 

いつ萩谷くんに話が振られるのかな、声は聴けるかな、なんて淡い期待も虚しく、15分ほどのMCは終わった。

 

忘れていたはずがない。その手腕に感動すら覚えるほど、この異色メンツ全員にまんべんなく話を振りトークを上手く回していた安井くんが、萩谷くんの存在を忘れていたはずがない。

それを決定づけたのは、次のスタンバイのためハケる演者のなか安井くんが萩谷くんに向けて放った一言。

 

「萩ちゃん生きてる!?(笑)」

 

確信犯だった。安井くんはわざと萩谷くんには話を振らないで、自分から会話に参加する時を待っていた。

 

ああこれは萩谷くんに訪れた試練だなあ。そんなことを思った。

 

たぶん安井くんの思った通り、萩谷くんはMCで喋れず仕舞いで、この一言は計画的だったんじゃないかな。

それに対して萩谷くんは 「生きてるよっ!!」と言い、「だって俺さっきFinaly overの時」と興奮気味に続けた。結局「はいハケるよー」という安井くんの一言で寸断されたけど、この掛け合いはウケて、その後安井くんによる萩谷くんの生存確認は3公演目まで続いたはず。

 

2公演目は見ていないのでどんな雰囲気で言われたのかは分からずレポから感じた雰囲気だけど、たぶんまたウケていたのかな。3公演目、今日こそは安井くんに「萩ちゃん生きてる!?」なんて言われまいと、マイクを口にスタンバイ。

 

結局、そのマイクはまたあごに戻ってきた。

 

そして案の定

「萩ちゃん生きてる!?(笑)」

 

言われることは覚悟していたというような

 

「生きてるよ」

 

抑揚のない声で安井くんの方を振り向きもせずそう言うと、難しい顔をしてそそくさとハケてしまった。

たぶん、萩谷くんの心情を察するに、「もうどうしたらいいのか分からない」状態。頑張って喋ろうとはしている、でも、喋れない。終いにはオチに使われる。

私は、「ああ、変なスイッチ押してしまったな」と思った。その前見たときの対応とは明らかに違うから。

 

もちろん安井くんはそんなこと、萩谷くんをいじめるためにやってるんじゃない。喋れない萩谷くんへの戒めだし、おいしくしようという愛情だし、演者がハケていくなかそれをすることは、完全に萩安ふたりだけの世界を作ることでもあって。

果たして萩谷くんは気づいていたかなあ。

 

 

 そして5月、シアタークリエH公演。

ガムシャラJ's partyのMCでの立ち位置はだいたい安井くんが最上手で萩谷くんは下手。

対して今回は、最上手の安井くんのすぐ隣にいた萩谷くん。

この立ち位置、だれが決めたのか決められたのか分からないけど、とにかく、

 

「安井くんの隣に萩谷くん」

 

これが、ものすごく心強くて頼もしかった。

萩谷くんの隣に安井くんがいてくれることは言うまでもない心強さなんだけど、その時は、その時ばかりは「安井くんの隣には萩谷くんがいる」という心強さも確かにあって。

 

ガムシャラJ's partyを経て誰かに相談したのかなあ。最近になって地上波ガムシャラに呼んでもらうことが増えたのも大きい気がする。ガムシャラスタッフの方にアドバイスをもらったというようなことも言っていたし、明らかな意識の変化だろうな。

 

2月の時点であれほど「萩ちゃん生きてる!?(笑)」なんて言われてた人が、クリエでは自分からどんどん会話に参加するし、会話の空気が止まりそうになった時には率先していい方向に会話を転換させていたり、とにかくその場を良い空気にすることに長けているんだなあ、というのは新たな発見だった。

憶測に過ぎないけど、MCで使うトークのお題が入ったボックスを持ってきて引いたり、進行する安井くんの些細な動きにも敏感に反応していたのは安井くんの負担が大きくならないようにだったのかなあ。安井くんの隣にいる意味、みたいなものを理解していて本当に、健気な子だなんて感慨深くもなったり。

 

私が萩谷くんの好きなところのひとつに、「人が嫌がるようなことは言わない/しない」っていうのがあって(贔屓目かもね)、こんな才能を持っている萩谷くんが、周りと比べたらまだまだだけど、以前に比べて喋れるようになっていく姿にはやっぱり信頼しかなくて。心が優しくて穏やかな男の子だから 発言への不安は一切ない。

 

 

私がクリエで見たものは、3ヶ月で見違える程の、明らかな成長だった。

 

「萩ちゃん生きてる!?(笑)」

 

その一言がきっかけで、萩谷くんの意識を変えた安井くん。

無意識か、「しつけ」かは分からない。

 

でも、安井くんはやっぱりすごいや。